ベジガール

ベジ20代女性。大学で動物倫理・ビジネス専攻。

動物実験はやめられない?

日本生理学会による動物実験の説明

 

日本生理学会によれば、動物実験に使用される動物の90%以上がラットとマウスです。

実験用の動物のほとんどは、研究用に育てられた動物を業者から購入して使用されます。

動物を研究に使用する際は、動物を人道的に扱い、苦痛を与えないように最大限に注意を払うことが必要とされています。

動物に対する行為はすべて動物愛護法鳥獣保護法総理府指針、環境省の指導、文部科学省通達に則り、日本生理学会の動物実験指針、各大学等の研究機関が設ける動物実験指針にしたがって実施されています。

各研究機関で行われる動物実験は、すべて動物実験(倫理)委員会の審査を受け、承認されることが必要であり、このようなルールが守られているという保障なしには、国内外の学術雑誌や学術集会において研究発表することができないのです。

動物実験の詳細は論文に記載するよう義務づけられていて、実験終了後は実験動物学会や国際基準によって定められた方法で安楽死させます。

動物実験に伴う動物愛護的批判から、動物を使わずに済む代替法の研究が求められています。人体モデル、コンピュータ・シュミレーションを使用する方法もありますが、これらは生命現象から得たデータを入力してはじめて使用可能となるもので、現在、未知の生命現象や病院を探る研究は動物実験を行う他にないといいます。

 

出典

動物実験について | 日本生理学会

 

 

動物実験反対の意見(認定NPO法人アニマルライツセンター)

 

認定NPO法人アニマルライツセンターは、動物実験に反対する理由を以下のように述べています。

 

 1.他の動物の実験結果を人間に当てはめることはできないから。動物と人との間には違いがあるため、実験対象の種に対する効果を検証しているにすぎない。多くの医学者が動物実験は無用であると主張している。

 2.動物実験は人間にとって危険」だから動物実験は真の科学ではなく、動物のデータを人間に当てはめるのは推測であるため、薬害が絶えない。

 3.「完全に隠された中」で「全ての苦痛や苦悩を凝縮したものであり、動物の全ての尊厳を奪う行為」だから。監視システムや順守すべき規制もほぼなく、どこで動物実験が行われているかも把握されていない。

 4.「動物の権利を侵害している」から

 5.動物実験は税金の無駄遣い」だから。税金を費やした動物実験による癌研究を行っても、過去50年間で悪性新生物による死亡数が増加し続けている。

 

認定NPO法人アニマルライツセンターのWebページ上に各情報の出典の記載はありません。

実験動物と人間の違いに関して、日本生理学会は、「地球上の生命は共通の生命原理によって貫かれており、薬の有効量や効き目には差があるものの、病因や治療法の基本原理は多くの点で脊椎動物間で共通する」と述べています。

理由3の「完全に隠された中」については、日本生理学会は、実験現場に一般人が立ち入りできないのは人間の手術室に立ち入れないのと同じであると述べています。

また、上記「日本生理学会による動物実験の説明」で述べたように、日本国内での動物実験は様々な法律や実験指針のもとに行われていて、実験後は論文発表に際して実験の詳細を記述することが定められています。動物実験の際には、人間の手術と同じように麻酔・鎮痛薬を投与し、苦痛軽減の処置が行われているのです。そもそも、そのような処置なしでは動物が苦しみ、信憑性のある実験結果も得られません。

 

出典

動物実験に反対する理由 | NPO法人アニマルライツセンター 毛皮、動物実験、工場畜産、犬猫等の虐待的飼育をなくしエシカルな社会へ

 

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動物実験に関する日本生理学会とアニマルライツセンターの意見は、

動物が経験する痛みや恐怖(麻酔をして、安楽死をさせるからいいやろ)

動物を使用するという行為そのもの(麻酔で痛みを感じてなくても、動物を利用するのはあかん)

どちらに焦点を当てるかに違いがあります。

 

日本生理学会は「最大多数の最大幸福」という究極目的の前に個体の権利は制限されるというシンガー的見方

アニマルライツセンターは人間による動物の利用それ自体が大幅に抑制されるべきであるというレーガン的見方

を持っているのではないでしょうか。

 

 

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みなさんは、どのようなご意見をお持ちですか?