動物の権利(アニマルライツ):シンガー
みなさんこんにちは。
今日はちょっと真面目に、動物の権利について話してみようと思います。
動物倫理について考えるときに重要となるのが、「ある存在」が持つ権利です。
「ある存在」をどのように扱うべきか、また扱うべきでないかを測る尺度となるためです。
今日はシンガーについて。
ピーター・シンガー(Peter Singer, 1946年7月6日 - )は、オーストラリア・メルボルン出身の哲学者、倫理学者である。モナシュ大学教授を経て、現在、アメリカ合衆国にあるプリンストン大学教授。専門は応用倫理学。功利主義の立場から、倫理の問題を探求している。著書『動物の解放』は、動物の権利や菜食主義の思想的根拠として、広く活用されている。ザ・ニューヨーカー誌によって「最も影響力のある現代の哲学者」と呼ばれ、2005年にタイム誌によって「世界の最も影響力のある100人」の一人に選ばれた。メルボルン大学出身で、在学中は、法学、史学、哲学を学んだ。
シンガーは、
「最大多数の最大幸福」という究極目的の前に個体の権利は制限される
としたうえで、
「愛玩動物が(「心」を持つ)感覚的存在として道徳的配慮の対象になるのならば、食用動物や実験動物も対象になるべきである」
と主張しています。
例えば、ペットとして人気のある犬や猫を殺すことと、食肉用として知られる牛や豚を殺すことを同じことだとしなければならないということです。
犬猫に心があると考えるなら、豚・牛・鶏などの動物にも心があるとしなければならないからです。
シンガーは動物の利用自体を悪いことであるとしていません。
ただ、人間が動物を利用することによって得られる便益とそれによって動物に与えられる苦痛が釣り合わないからよくないというのです。
動物実験については、それによって多くの人間が救われるので、便益が苦痛を上回るから(「最大多数の最大幸福」という究極目的の前に個体の権利は制限されるから)よいとしています。
plantbaseddream.hatenablog.com
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参考
田上 孝一(2017)、『環境と動物の倫理』、本の泉社